処遇改善加算の検証 ― 計画書と実績報告書の矛盾

最終更新: 2026年10月23日

主な出典公文書公開情報内部資料出典の扱い方

大阪市の情報公開制度で入手した、合同会社Yorimado(しょーとすていYorimado・ちるMado〔ちるまど〕)の処遇改善加算の計画書と実績報告書を検証しています。書類どうしを比べ、給付・給与・求人・届出の記録と照らして見つかった矛盾を、論点ごとに整理したページです。

何が問題か

計画書に書かれた見込みは実際よりはるかに小さく、実績報告書の「賃金に上乗せした」という報告は、記録と合いません。

処遇改善加算の検証 ― 論点の全体像

3つの書類から、3つの論点

令和7年度の計画書・実績報告書と、令和8年度の計画書。事業者が大阪市に提出した書類を、記録と照らした

計画書は年度の初めに見込みを届け出る書類、実績報告書は年度のあとに実際の額を報告する書類で、どちらも事業者が作成します。いずれの論点も「疑い・要検証」として示すもので、不正があったと断定するものではありません。

図解:合同会社Yorimado の処遇改善加算について、事業者が大阪市に提出した3つの書類(令和7年度の計画書〔令和7年4月受付〕、令和7年度の実績報告書〔令和8年7月提出〕、令和8年度の計画書〔令和8年4月誓約〕)と、そこから見つかった論点の全体像。論点1(令和7年度・令和8年度の計画書):計画書の見込みが実際より大幅に小さい。令和7年度は見込み約62万円に対し実績は約854万円(13.8倍)、令和8年度は報酬総額が実際の給付の約5分の1。論点2(令和7年度の実績報告書):受け取った加算(法人全体で8,995,626円)以上を賃金に上乗せしたという報告が、記録に残る給与の動き、求人に書かれた賃金、届出の職員体制と合わない。論点3(令和8年度の計画書):上位の「ロ区分」の要件は生産性向上の取組5項目以上だが、計画書のチェックは4項目。関連する論点(届出・勤務形態一覧表):代表者の「常勤」の二重計上。処遇改善加算ではなく、短期入所の基本報酬と常勤看護職員等配置加算の前提にかかわる。

図:処遇改善加算の検証 ― 3つの書類と、見つかった論点の全体像

福祉・介護職員等処遇改善加算は、職員の賃金を上げるために、障がい福祉サービスの事業所の報酬に上乗せして支払われるお金です。事業所は、年度の初めに「計画書」で受け取る見込みの額と賃金の上げ方を届け出ます。年度が終わると「実績報告書」で、実際に受け取った額と、その額以上を賃金の引き上げに充てたかを報告します。

計画書と実績報告書は、どちらも事業者自身が大阪市に提出した書類です。令和8年度の計画書にもとづく2点(報酬総額・ロ区分)と、関連する論点は、大阪市が開示した公文書(処遇改善計画書・給付費明細書・勤務形態一覧表)だけで示すことができます。推測ではなく、すでに行政の手元にある書類を突き合わせれば確認できます。

このページの指摘は、いずれも「不正があった」と断定するものではなく、「疑い・要検証」として提示しています。各論点には、行政が確認できる手段を併記しています。最終的な評価・判断は所管行政庁に委ねられます。

連載 ― 令和7年度の実績報告書を、記録と照らす

  1. 第1回令和7年度 計画と実績年度の初めに届け出た加算の見込みが、実際の約14分の1でした。
  2. 第2回賃金改善の報告と給与「毎月の賃金で上乗せした」という報告と、記録に残る給与の動きが合いません。
  3. 第3回求人の賃金と処遇改善求人に書かれた賃金では、報告された上乗せを配りきれません。
  4. 第4回職員体制と上乗せの額報告された賃金の上乗せが、職員の年収の合計を上回っています。
  5. 第5回年収440万円の報告と関連法人「年収440万円以上の職員が2人いる」という報告が、届出の勤務と求人の賃金からは出てきません。

計画書の見込みが、実際より大幅に小さい

計画書の見込みは、賃金改善の約束の大きさを決める数字です。見込みが小さいと、約束も小さく受け付けられます。受け取る加算の額は実際の請求で決まるので、見込みが小さくても減りません。合同会社Yorimado の計画書は、令和7年度・令和8年度の2年続けて、見込みが実際を大きく下回っています。

令和7年度の計画書 ― 見込み62万円、実績854万円

令和7年度の計画書(令和7年4月15日受付)は、しょーとすていYorimado の加算の見込みを年619,860円としていました。実績報告書に事業者が書いた同じ年度の加算額は8,544,418円で、見込みの13.8倍です。最初の1か月(令和7年4月分)だけで549,370円と、1年分の見込みの約9割に達していました。

→ 詳しくは 連載 第1回:令和7年度の見込みは62万円、実績は854万円

令和8年度の計画書 ― 報酬総額が、実際の給付の約5分の1

処遇改善計画書には「一月あたりの報酬総額」を記載する欄があります。しょーとすていYorimadoのこの欄は、実際の給付実績の約5分の1にとどまっていました。

計画書の報酬総額(加算等を除く)
100万円
令和8年度処遇改善計画書(部分公開文書)
計画書の報酬総額(加算等を含む)
120万円
同上
実際の給付(推定・月平均)
約524万円
大阪市の給付実績データからの推定(令和7年度)
乖離
約4.4〜5.2倍
計画書は実績の約5分の1

実際の給付額は、大阪市が情報提供した給付実績データ(令和6年12月〜令和8年6月のサービス提供分・5,067行)から推定したものです。推定方法は 収支・求人ページの給付実態分析 と同じで、令和7年度(令和7年4月〜令和8年3月)で月平均約524万円になります。データには令和6年12月分の請求が含まれており、計画書の提出時点で事業所には十分な請求実績がありました。

様式どおりに計算しても説明がつかない

国の事務処理手順は、報酬総額欄を「前年1〜12月のサービス別報酬総額(各種加算を含む)を12で割るなど適切な方法」で見込むよう指定しています。前年(令和7年)のうち金額を復元できる4〜12月の9ヶ月分は推定約4,550万円で、1ヶ月あたり約506万円になります。記載額100万円はその約5分の1です。

「事業拡大等で増減が見込まれる場合は調整可」という例外もありますが、100万円を正当化するには前年実績から約80%の縮小が必要です。ところが同じ計画書で事業者は利用者数を24名(令和7年度の月ごとの実績19〜25名と同じ水準)と記載し、加算も上位区分へ移行しています。いずれも事業拡大の方向で、縮小見込みとは正面から矛盾します。

なぜ問題なのか

三者が同時に正しいことはありえない

整理すると、(A) 計画書の報酬総額(月100万円)、(B) 国保連への請求実績(推定 月約524万円)、(C) 定員6名・日曜定休という事業所の物理的な規模 ——この三者は互いに矛盾しています。

どちらにしても、少なくともいずれか一つは事実と異なることになります。本来であれば、給付費が適正に支払われているかの調査と、必要に応じた是正・返還が求められる状態です。

この食い違いを推定値ではなく実額で確かめるため、令和7年度の処遇改善加算の実績報告書と、国保連への請求の実績(月ごと)も入手しました。実績報告書に事業者が記載した令和7年度の加算総額(8,544,418円)から逆算した報酬総額は約6,228万円で、当サイトの推定(約6,291万円)と1%差で一致します(収入・求人)。制度上は、報告徴収・帳簿書類の検査・実地調査の権限により、実額を確認することが可能です。

加算の見込額そのもので比べても、令和8年度の計画書は法人全体で2,673,390円で、令和7年度の実績(8,995,626円)の29.7%です(→ 連載 第1回)。

「賃金に上乗せした」という報告と、記録

令和8年7月、合同会社Yorimado は令和7年度(令和7年4月〜令和8年3月)の処遇改善加算の実績報告書を大阪市に提出しました。大阪市への情報公開請求で入手したこの報告書を、法人の会計記録に残る給与、求人に書かれた賃金、大阪市への届出の職員体制と照らし合わせ、テーマごとに5回に分けて掲載しています。

各回の結論は、連載の一覧にまとめています。各回のページでは、記録と報告を並べたうえで、確認できたこと・できていないことを分けて示しています。

合同会社ちるどれんの実績報告書との比較(同じ日に22分差で提出・記入の仕方がほぼ同じ)は、合同会社ちるどれんとの関係 ― エビデンス② に掲載しています。

処遇改善加算「ロ区分」の要件に、1項目足りない

しょーとすていYorimadoは処遇改善加算を上位区分のⅠロ(加算率19.3%)、ちるMado(行動援護)はⅡロ(同40.6%)で算定しています。この「ロ区分」には特例要件があり、生産性向上の取組を5項目以上(うち2項目は必須)実施するか、社会福祉連携推進法人に所属することが必要です。

ところが、開示された計画書のチェック欄は生産性向上の取組が4項目のみで、連携推進法人所属の記載もありません。つまり「5項目以上」に1項目足りず、公文書の記載自体がロ区分の要件を満たしていない疑いがあります。これは稼働実態を調べるまでもなく、書面だけで確認できます。

関連する論点 ― 代表者の「常勤」の二重計上

この論点は、処遇改善加算そのものではなく、短期入所の基本報酬(福祉型強化短期入所サービス費)と常勤看護職員等配置加算の前提にかかわるものです。処遇改善加算は基本報酬などに一定の率を掛けて計算されるため、基本報酬の前提が変われば、処遇改善加算の額にも影響します。

しょーとすていYorimado(短期入所・ショートステイ)の基本報酬は「福祉型強化短期入所サービス費」で、これは常勤の看護職員を配置する体制が前提です。法人で看護師資格を持つのは代表社員の溝口愛氏であり(同氏が看護師であることは、法人公式サイトの代表者プロフィールに「資格:看護師」「経歴:看護師として、総合病院、保育園、居宅訪問、高齢者施設に勤務」と公表されています)。届出の看護職員は、開業時(令和6年11月受付)・令和7年8月受付・令和8年2月受付のいずれの勤務形態一覧表でも1名で、開業時の指定申請に添付された看護師免許証も1枚です(いずれも氏名は黒塗り)。この常勤の看護職員は、同氏とみられます。

一方で、同じ溝口愛氏は別事業所「ちるMado(ちるまど)」(移動支援)の常勤の管理者兼サービス提供責任者でもあります。開示済みの勤務形態一覧表(様式第15号・令和7年4月)で、同氏が単独で常勤換算1.0を満たす構造であることが書面で確定しています(ほかの従業者は全員「非常勤」)。

短期入所(しょーとすていYorimado)
常勤の看護職員として、福祉型強化短期入所サービス費・常勤看護職員等配置加算の前提(常勤換算1以上)になっているとみられる
移動支援(ちるMado)
常勤の管理者兼サービス提供責任者として、常勤換算1.0が書面で確定(令和7年4月の様式第15号)
行動援護(ちるMado)
管理者(令和7年9月開始)。サービス提供責任者の兼務の疑い

1人が同じ週の労働時間を「移動支援の常勤(換算1.0)」と「短期入所の常勤看護職員(換算1.0)」の両方にあてることは物理的に不可能です。さらに行動援護の管理者業務も加わります。この二重計上が事実なら、短期入所の常勤看護職員配置という前提が崩れ、基本報酬と加算が算定要件を欠く=返還の対象になります。

仮に、短期入所の常勤看護職員が溝口氏ではない別の人物だとすれば、その人物が誰で、常勤(国の通知でいう週32時間相当)の勤務実態があるのかが次の確認点になります。同じ人物なら二重計上、別の人物ならその常勤性——どちらに転んでも、賃金台帳や勤務実績と照らせば書面で確認できる事柄です。

さらに、最新の届出(令和8年2月受付・利用定員の変更)では、事業者自身が短期入所の常勤看護職員の勤務形態を「常勤・兼務」(勤務形態一覧表の区分Bは、常勤で他の職務を兼ねることを意味します)と記載しています。その一つ前の届出(令和7年8月受付・重度支援加算)では、同じ看護職員を「常勤・専従」(区分A)としていました。「専従」から「兼務」へと記載が変わっています。

さらにさかのぼると、開業時の届出(令和6年11月受付・指定申請)でも、看護職員は「常勤・兼務」(区分B)とされていました。看護職員の勤務形態は、届出の版ごとに「兼務」(開業時)→「専従」(令和7年8月)→「兼務」(令和8年2月)と記載が変わっており、開業の時点から、ほかの職務と兼ねる常勤として届け出られていたことになります。移動支援で代表者が常勤換算1.0とされている構図と併せると、二重計上の疑いを事業者自身の届出が裏づける形になっています。この様式には兼務先の事業所名を書く欄がないため、兼務先までは届出だけでは特定できませんが、同一人物が複数の事業所で常勤として計上されていないかは、賃金台帳や出勤簿で確認できます。

給与の記録と重ねると ― 3つの記録は、同じ1人には重ならない

代表社員の溝口愛氏が、短期入所の常勤の看護職員だとすると、次の3つの記録を同じ1人に重ねることになります。

短期入所の届出(公文書)
看護職員(加算対象)は常勤・専従、週32時間(令和7年8月受付。4週間の予定では週2回・1回16時間)
移動支援の届出(公文書)
溝口愛氏は常勤の管理者兼サービス提供責任者で、常勤換算1.0(令和7年4月の様式第15号)
給与の記録(内部資料)
代表社員あての毎月決まった報酬は手取り約5万円(50,978円が繰り返し記録)。ほかに11月 約241万円、12月 約126万円(→ 代表者・親族名義への送金)

時間の面では、移動支援で常勤とされる人が、短期入所でも「専従」(その職務に専ら従事すること)の常勤として週32時間を担うことになります。この点は、上で述べた二重計上の疑いそのものです。

賃金の面では、週32時間の勤務を毎月の定額で賄うことになります。週32時間は月に直すと約139時間で、手取り約5万円を時間で割ると約370円です。職員の賃金であれば、大阪府の最低賃金(令和7年10月15日までは時間額1,114円)で計算しても月約15万円になります。毎月の定額は、代表としての職務や移動支援の管理者の分も含んだ報酬とみられ、看護職員の勤務だけに対する額ではないため、実際の時間あたりの額はさらに小さくなります。

役員の報酬には最低賃金は適用されません。そのうえで、どの説明をとっても、どこかの記録と合わなくなります。

常勤で勤務し、毎月の定額が職員としての賃金
最低賃金で計算した額(月約15万円)に届かない
常勤で勤務し、毎月の定額が役員報酬
役員報酬は職員の賃金にあたらないため、処遇改善加算の「賃金の上乗せ」に数えられないと考えられる
常勤で勤務し、実際の報酬は11月・12月の大口
毎月の賃金ではないため、処遇改善加算の「毎月の基本給・手当による上乗せ」にあたらない
実際には常勤で勤務していない
福祉型強化短期入所サービス費と常勤看護職員等配置加算の前提(常勤の看護職員の配置)が問われる

常勤の看護職員が溝口愛氏ではない別の人物であれば、その人物の常勤の勤務と賃金が、出勤簿・賃金台帳に残っているはずです。いずれの場合も、書面で確認できる事柄です。

届出では看護職員の氏名が黒塗りのため、短期入所の看護職員が溝口愛氏であることは、届出の文面だけでは確定できません(看護職員は1名で、看護師免許証も1枚です)。届出の勤務は4週間の予定で、実際の出勤の記録ではありません。給与の記録は法人の会計記録(内部資料)で、支払いの性格(役員報酬・賞与など)は記録からは確定できません。

このほか、行動援護については (1) サービス提供責任者の資格要件(実務経験3年以上)を満たすか、(2) ヘルパー(常勤換算2.5人以上)が実在するか、も要検証の論点です。

この常勤性の二重計上は、本サイトが従来から指摘してきたしょーとすていYorimadoの実質的な管理者不在とは別の、新たに判明した論点です。

制度上、確認・是正が求められる点

これらの矛盾が事実であった場合、制度上は次のような確認・対応が想定されます。

特別監査による確認
勤務形態一覧表・体制届・賃金台帳・出勤簿などの突き合わせによる、常勤性の二重計上の有無、報酬総額欄の積算根拠、賃金改善義務の履行状況の確認(障害者総合支援法第48条)
給付費の返還
算定要件を欠く加算・基本報酬や、報酬総額の過小記載・賃金改善の不履行・請求の水増しが確認された場合の返還(不正受給の場合は4割の加算金を含む。同法第8条第2項)
指定の取消し・効力停止
人員基準違反や不正が確認された場合の、指定の取消しまたは効力の全部・一部の停止(同法第50条)

出典・根拠

  • 令和7年度の計画書・実績報告書:大阪市の情報公開制度で入手(実績報告書は部分公開)。見込額(619,860円)と加算額(8,544,418円・法人全体 8,995,626円)は、書類に記載された額です。給与・求人・届出の記録の出典は、連載の各回のページに記載しています。
  • 報酬総額の乖離:大阪市が令和8年9月3日に情報提供した給付実績データ(令和6年12月〜令和8年6月のサービス提供分・5,067行)から推定。給付額の欄がないため、記載されている処遇改善加算Ⅰの単位数(短期入所=報酬総額の15.9%)から総単位数を逆算し、大阪市・二級地の単価10.96円/単位を乗じて算出(収支・求人ページ と同じ方法)。
  • 常勤性:開示済みのちるMado(移動支援)の従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表(様式第15号・令和7年4月)。
  • 加算ロ区分:開示された令和8年度 福祉・介護職員等処遇改善計画書(しょーとすていYorimado・ちるMado)の生産性向上取組欄、および大阪市配布様式(Excel)の数式構造。要件の根拠は「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(障障発0331第1号・こ支障第78号〔令和8年3月31日〕)。
  • 給付の額とその倍率は上記の方法による推定値です。本ページは、不正があったと確定するものではありません。

よくある質問

このページで指摘している「計画書と実績報告書の矛盾」とは何ですか?
合同会社Yorimado(しょーとすていYorimado)が大阪市に提出した処遇改善加算の書類について、次の点を整理しています。①計画書の見込みが実際より大幅に小さい(令和7年度は見込み約62万円に対し実績約854万円。令和8年度は報酬総額が実際の給付の約5分の1)。②令和7年度の実績報告書の「加算の額以上を賃金に上乗せした」という報告が、給与・求人・届出の記録と合わない。③令和8年度の計画書は上位の「ロ区分」で算定しているが、要件の5項目以上に対しチェックは4項目。いずれも疑い・要検証の段階で、不正があったと断定するものではありません。
計画書と実績報告書は、何が違うのですか?
計画書は、年度の初めに、受け取る加算の見込みの額と賃金の上げ方を届け出る書類です。実績報告書は、年度が終わったあとに、実際に受け取った加算の額と、その額以上を賃金の引き上げに充てたかを報告する書類です。どちらも事業者が作成し、指定を行う自治体(大阪市)に提出します。
計画書の報酬総額が実態より小さいと、何が問題ですか?
処遇改善加算は、加算で受け取る額以上を職員の賃金改善にあてることを計画で約束する制度です。報酬総額が実態の約5分の1で記載されると、約束の基準になる額も小さくなります。計画ベースでは年約225万円、実績ベースの試算では年約1,000万円で、差の約775万円が約束の外に置かれる計算になります。
給付の実額でも確かめられていますか?
はい。事業者が大阪市に提出した令和7年度の処遇改善実績報告書の加算総額(8,544,418円)から逆算した報酬総額は約6,228万円で、本サイトの推定(約6,291万円)と1%の差で一致しました。
これらの点は、どうすれば確認できますか?
計画書にもとづく論点は、大阪市が開示した公文書(処遇改善計画書・給付費明細書・勤務形態一覧表)だけで示すことができます。実績報告書の賃金の上乗せは、賃金台帳・給与明細と照らせば書面で確認できます。制度上は、指定権者が報告徴収・帳簿書類の検査・実地調査の権限(障害者総合支援法第48条)にもとづき、勤務形態一覧表・賃金台帳・出勤簿などを突き合わせて確認できます。
以前の「令和8年度 処遇改善計画書の3つの矛盾」は、どこに掲載されていますか?
内容を変えずに、このページのなかで配置し直しています。報酬総額が実際の給付の約5分の1である点は「計画書の見込みが、実際より大幅に小さい」の令和8年度の部分に、ロ区分の要件不足は「処遇改善加算『ロ区分』の要件に、1項目足りない」に掲載しています。代表者の常勤の二重計上は、処遇改善加算ではなく、短期入所の基本報酬と常勤看護職員等配置加算の前提にかかわる論点のため、「関連する論点」として分けました。

更新履歴

  • 2026-10-23 — 「関連する論点 ― 代表者の『常勤』の二重計上」に、「給与の記録と重ねると」を加えました。短期入所の届出・移動支援の届出・給与の記録の3つを同じ1人に重ねたときに、どこが合わなくなるかを整理しています。あわせて、代表社員と短期入所の看護職員の関係について、届出の看護職員が開業時から1名で、開業時の指定申請に添付された看護師免許証も1枚であることを根拠として加え、記述を改めました。開業時の届出(令和6年11月受付)でも看護職員が「常勤・兼務」とされていたことを加えました(→ NEWS)。
  • 2026-10-12 — ページの題名を「処遇改善加算の検証 ― 計画書と実績報告書の矛盾」に改め、構成を論点ごとに整理しました。令和7年度の実績報告書の連載が加わり、令和8年度の計画書だけを扱うページではなくなったためです。これまで「3つの矛盾」として並べていた3点は、内容を変えずに配置し直しています。報酬総額が実際の約5分の1である点は「計画書の見込みが、実際より大幅に小さい」へ、ロ区分の要件不足は独立した論点へ移しました。代表者の常勤の二重計上は、処遇改善加算ではなく、短期入所の基本報酬と常勤看護職員等配置加算の前提にかかわる論点のため、「関連する論点」として分けています(→ NEWS)。
  • 2026-10-06 — 令和7年度の実績報告書を取り上げる連載を始めました(→ NEWS)。
  • 2026-09-12 — 給付実績の推定を、大阪市が提供した給付実績データ(5,067行)にもとづく値に更新しました。
  • 2026-06-18 — 本ページを公開しました(→ NEWS)。

このページに関する更新のお知らせ

このページを公開・更新したときの NEWS です。何をいつ追加し、どこを訂正したかが分かります。

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