支出の検証 — 給付費はどこへ使われたか
最終更新: 2026年7月23日
障がい福祉サービスの費用は、介護保険や医療保険と違い、その大半が税金(国・都道府県・市町村の公費)でまかなわれます。事業者が いくら受け取ったか(収入)は 収入・求人 で検証しました。このページでは、その公金が どこに使われたか(支出)を、法人の会計記録から検証します。
合同会社Yorimadoの 決算日は毎年8月31日 です。本ページでは、設立(令和6年9月)から最初の決算までの事業年度を 第1期(〜令和7年8月)、その翌日から始まった事業年度を 第2期(令和7年9月〜)と呼びます。

資料と検証方法
このページは、法人の会計記録(仕訳帳)と法人口座の取引明細 に記録された取引を整理したものです。対象は、第1期の全期間(記録は令和6年11月〜令和7年8月)と、第2期の途中まで(令和7年9月〜令和8年1月)です。
数値はいずれも記録からの集計値で、原資料そのものは掲載しません(事業所の利用者・職員・取引先など、検証と関係のない個人情報を含むため)。掲載にあたっては、編集・検証ポリシー に定めた内部資料の取り扱い原則に従っています。
この記録の確からしさについて
法人の会計記録には、この事業所が受け取った給付費が記録されています。その 月ごとの水準と増え方 は、大阪市の情報公開制度で開示された給付費明細書から当サイトが推定した給付額(→ 収入・求人)と整合します。読者が独立に入手できる公文書と符合することは、この記録の数値の確からしさを確かめる手がかりになります。
なお、法人の収入と支出は同じ口座のなかで混ざるため、個々の支出が「どの収入を原資としたか」を特定することはできません。収入のほぼ全額が公費であることは事実として示せますが、個別の支出をただちに「公金の流用」と結び付けることはしません。
全体像
事業目的との関連が確認できなかった支出は、第1期・第2期を合わせて 推定約1,844万円 です。月平均でみると、第1期の約76万円から第2期の約290万円へと増えています。
- 第1期(令和6年12月〜令和7年8月・9か月)
- 給付費受給 約1,236万円/事業関連が確認できない支出 推定 約684万円
- 第2期(令和7年9月〜令和8年1月・約4か月)
- 給付費受給 約2,362万円/事業関連が確認できない支出 推定 約1,160万円
金額は法人の会計記録からの集計・推定値。給付費受給額には移動支援(ちるMado)や大阪府からの処遇改善補助金等の収入も一部含まれます。
第1期の推定約684万円は、第1期の決算日(令和7年8月31日)の直前にあたる 令和7年7月・8月に集中した支出 からの推定です。
以下、金額の大きい順に、確認できた取引・確認できていないこと・当サイトの見方を分けて整理します。
代表者・親族名義への送金(第2期 約646万円)
情報源: 内部資料(法人の会計記録・法人口座の取引明細)
第2期(令和7年9月〜令和8年1月)に、代表者本人と、その親族とみられる個人名義の口座へ、継続的な送金が記録されています。
- 代表社員
- 約380万円(4件)
- 代表社員の親族とみられる個人名義(3名分)
- 約266万円(14件)
- 合計
- 約646万円(18件)
代表社員への送金は、月ごとに大きく変動しています。
- 2025年9月
- 約8万円
- 2025年10月
- 約5万円
- 2025年11月
- 約241万円
- 2025年12月
- 約126万円
確認できたこと — 上記の日付・金額・件数の送金が記録上、実際に存在すること。11月・12月に金額が大きく増えていること。
確認できていないこと — これらの送金の性格。役員報酬・給与・立替金の精算・貸付金など、正当な説明が成り立つ余地はあります。給与や役員報酬であることを示す賃金台帳等との対応は、記録からは確認できていません。
当サイトの見方 — 論点は送金があること自体ではなく、その 金額の変動幅と時期 です。毎月の給与や定額の役員報酬であれば、金額はおおむね一定になるはずです。11月に約241万円、12月に約126万円という単月の高額送金は、定期的な給与の支払いとは異なるパターンで、性格の確認が必要だと考えます。
多額の現金引き出し(第2期 約428万円)
情報源: 内部資料(法人口座の取引明細)
第2期に、現金自動預払機(ATM)等から多額の現金が引き出されています。
- 2025年9月
- 約206万円(10件)
- 2025年10月
- 約158万円(14件)
- 2025年11月
- 約7万円(8件)
- 2025年12月
- 約57万円(7件)
- 合計
- 約428万円(39件)
このうち、1回50万円の引き出し が、2025年9月から12月にかけて計8回記録されています。50万円は、多くのATMで1回に引き出せる上限(紙幣50枚)にあたる金額です。
確認できたこと — 上記の現金引き出しが記録上、実際に存在すること。ATMの1回あたりの上限にあたる50万円の引き出しが、繰り返されていること。
確認できていないこと — 引き出された現金の使いみち。小口の経費支払いなど、正当な用途の可能性はあります。ただし、何に使ったかを裏付ける現金出納帳や領収書との対応は、記録からは確認できていません。
当サイトの見方 — 経費の支払いに必要な額をその都度引き出しているのであれば、金額は端数を含めてばらつくのが自然です。上限額いっぱいの引き出しが繰り返されている点は、支払いの必要に応じた引き出しというより、現金をまとめて引き出すこと自体が目的だった可能性をうかがわせます。短期入所という事業の性質上、これほど多額の現金を継続的に必要とする理由も考えにくく、使途が記録として残らない現金化が短期間に繰り返されている点を論点と考えます。
私的利用と疑われる経費
情報源: 内部資料(法人の会計記録)
事業との関連が読み取りにくい、旅行・飲食・物品購入などの支出が計上されています。第2期では、飲食等(会議費・接待交際費・福利厚生費として計上)が約50万円、物品購入が約36万円。第1期にも、福利厚生費として約106万円が計上されています。
第1期の約106万円の大半は、決算直前の令和7年7月〜8月に計上されています。同じ7〜8月には、リゾート地(沖縄)への旅行に関わるとみられる支出が、航空券・空港周辺の宿泊・リゾートホテルへの支払いなど(福利厚生費・旅費交通費等として計上)をあわせて 合計約50万円 記録されています(決算日の4日前にあたる令和7年8月27日の、リゾート施設への約36万円の支払いを含みます)。この約50万円は、第1期の「事業目的との関連が確認できない支出」推定約684万円の内数です。
代表的なものには、次のような支出が含まれます(店舗名は、本件と関係のない第三者への影響を避けるため、種別で示します)。
- 旅行・レジャー
- 温泉地(城崎)の旅館、リゾート地(沖縄)への旅行、テーマパークのチケット など
- 飲食
- 焼肉店・韓国料理店・グリル料理店などでの飲食(会議・接待の記録は確認できていない)
- 物品購入
- 百貨店・家電量販店・大手ECサイト・アウトレットモールでの購入
確認できたこと — これらの支出が、会議費・接待交際費・福利厚生費などの科目で法人の経費として計上されていること。
確認できていないこと — 各支出の事業目的。従業員向けの福利厚生制度の実態、会議や接待の相手・記録の有無は、記録からは確認できていません。
当サイトの見方 — 個人の生活費・娯楽費に近い性質の支出が、事業目的を裏付ける記録のないまま法人の経費として計上されている点を論点と考えます。
別法人の施設開設と時期が一致する支出(第1期 約114万円)
情報源: 内部資料(法人の会計記録)/公開情報(別法人の施設の指定年月日)
第1期の令和7年7月〜8月に、備品・設備・工事などの支出が集中しています(38件・合計約114万円)。この時期は、別法人 合同会社ちるどれん が新しい短期入所施設「ショートステイちるどれん今福鶴見」を開設した時期と一致します(同施設の事業所指定年月日は令和7年7月1日)。
- 設備・工事
- 電気・防災設備、開設にともなう改修工事 など
- 備品・家電
- 家電製品、家具、日用品(大手ECサイトでの購入が多数) など
- 施設の表示看板
- 市内の作業所への発注(施設名入りの製作物) など
確認できたこと — Yorimado の会計記録に、上記の支出が令和7年7月〜8月に集中して計上されていること。同時期に別法人が新規施設を開設していること(公開情報)。
確認できていないこと — これらの物品・設備が実際にどこで使われているか。Yorimado 自身の事業のための支出である可能性は残ります。
当サイトの見方 — 短期入所を営む Yorimado が、この時期にこれだけの開設用途とみられる備品・設備を必要とする事情は読み取りにくく、別法人の施設開設との時期の一致が説明を要する点だと考えます。両法人の関係については 合同会社ちるどれんとの関係 で別途整理しています。
決算をまたぐ資金移動
情報源: 内部資料(法人口座の取引明細)
第1期の決算日(令和7年8月31日)の直前と直後に、対になる資金移動が記録されています。
- 令和7年8月23日(決算日の8日前)
- 代表社員の親族とみられる個人名義へ 約110万円を送金
- 令和7年9月1日(決算日の翌日)
- 同名義から 約98万円が入金
確認できたこと — 決算日をはさんで、送金と入金が対になって記録されていること。
確認できていないこと — この資金移動の目的。立替金の精算など、正当な説明が成り立つ余地はあります。当サイトは税務・会計上の当否を評価する立場にありません。
当サイトの見方 — 決算日を数日はさんで資金が出て戻るという記録について、その会計処理が適切かどうかは、確認されるべき点だと考えます。
制度のうえでの位置づけ
障がい福祉サービスの給付費は、利用者の支援体制を維持するために支払われる公費です。これが事業の目的外に使われていた場合、障害者総合支援法第50条が指定の取消し・効力停止の事由として定める〈不正又は著しく不当な行為〉などに関わり得ます。
ただし、本ページで示したものは、いずれも 記録から読み取れる事実と、それに対する当サイトの見方 であって、不正があったと断定するものではありません。個々の支出には正当な説明が成り立つ余地があり、最終的な評価・判断は、所管行政庁に委ねられます。本ページの論点は、検証・問題提起 にまとめた他の論点とあわせてご覧ください。
出典と留保
- データ:法人の会計記録(仕訳帳)および法人口座の取引明細(第1期=令和6年11月〜令和7年8月/第2期=令和7年9月〜令和8年1月)
- 掲載した金額は、上記記録からの 集計値・推定値 です。個々の取引の最終的な使途は確認できていません。
- 収入と支出は同一口座で混ざるため、個別の支出の原資は特定できません。
- 事業運営に関与しない私人の氏名・口座情報は記載していません(編集・検証ポリシー の取り扱い原則に基づく)。
- 本ページは不正があったと確定するものではなく、疑い・要検証 として整理したものです。
- 訂正・反論の受付 — 掲載された当事者を含め、どなたからでも受け付けます(現時点で申出はありません)。窓口と手続きは 編集・検証ポリシー のとおりで、申出があった場合の対応は本文・本ページの更新履歴・NEWS に記録します。
よくある質問
- この支出のデータは、どこから得たものですか?
- 法人自身の会計記録(仕訳帳)と法人口座の取引明細です。法人の支出は情報公開制度の対象外で、公文書からは確認できません。公金の使いみちを検証するには、こうした内部資料によるほかありません。掲載は集計値・代表例にとどめ、原資料そのものは公開していません。
- 「事業目的との関連が確認できない支出 約1,844万円」は、そのまま不正額ということですか?
- いいえ。これは、事業との関連が記録から読み取りにくい支出を集計した推定値であり、不正が確定した金額ではありません。個々の支出には、役員報酬・立替金の精算・小口経費など、正当な説明が成り立つ余地があります。当サイトは、取引の存在という事実と、それをどう見るかという分析を分けて示しています。
- 代表者や親族への送金は、給与ではないのですか?
- 給与や役員報酬である可能性は残ります。ただし、毎月の給与や定額の役員報酬であれば金額はおおむね一定になるはずのところ、2025年11月に約241万円、12月に約126万円といった単月の高額送金があり、定期的な支払いとは異なるパターンです。給与であることを裏付ける賃金台帳等との対応は、記録からは確認できていません。
- 掲載内容に誤りがある場合や、反論したい場合はどうすればよいですか?
- 掲載された当事者を含め、どなたからでも指摘・反論を受け付けます。X(@chilmado)または Instagram(yorimado.info)のダイレクトメッセージへご連絡ください。根拠を確認のうえ対応し、重要な訂正は本文・更新履歴・NEWS の3か所に記録します。詳しくは編集・検証ポリシーをご覧ください。
更新履歴
- 2026-07-23 — 第1期の支出について、決算直前(令和7年7月・8月)への集中と、リゾート地(沖縄)への旅行に関わるとみられる支出の合計約50万円を追記しました。
- 2026-07-18 — 支出の検証ページを公開しました。法人の会計記録から、事業目的との関連が確認できなかった支出(第1期・第2期)を整理しています。